ショーロの効能、ロックの効能
昨日は久しぶりにJ-POPというか、アコースティックではありますがロックとも言える範疇の音楽のライブに出演しました。ブラジル音楽以外のライブは最近がごく少ないんですが、ブラジル音楽をやっているからこその利点、そして久しぶりにロック魂(笑)をこめてギターを弾いた刺激など、色々なことを感じています。
ショーロを演奏していると、基本的に7弦ギターはバイシャリーアと呼ばれるベースラインと対旋律が入り交じったようなスタイルで弾く事が多いんですが、その時によってハーモニーをしっかり出したり、リズミックに弾いたり、あるいは突然メロディやソロが回ってきたりと、楽曲の全ての点を意識して演奏しなければなりません。曲やメンバーによって、あるいはその瞬間、瞬間に自分の役割を察知して変化してゆく、幅広い音楽性が求められる訳です。こうした演奏の経験は、もちろんショーロ以外の音楽をやる時にも非常に役に立ちます。一つの楽曲に対し、色んな角度からアプローチできるのですね。どんなジャンルの音楽を演奏するにしても、ショーロやってて良かった!と思う訳です。
では、ロックの効能っていうとなんでしょう?ロックの場合は楽曲もギターの役割もシンプルですが、だからこそ“一発の気合い”ってのが必要になります。簡単なコード進行だと、ジャズ的にテクニカルなフレーズを弾いても面白くないんですね。そこで大切なのが、どうやって表現力豊に歌うか、ということ。昨日は自分もナイロン弦でチョーキング決めたりもしましたが、チョーキング1発で8小節も16小節ももっていっちゃったり、とにかく闇雲に速く弾いたり、歯で弾いたり燃やしたり(笑)、少々強引でも「俺はこれがやりたいんだ!」ってのをより強引に前に出すほうがカッコいい。そんな瞬間を感じると、やっぱりロックを通ってきて良かったなーとも思うのであります。
結局ショーロをはじめブラジル音楽も、ロックもジャズも、それぞれが表現豊かな音楽であって、やっぱりそれぞれに魅力があるんだよなー、という、当たり前の結論になってしまうのでした。
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